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孤狼の血のmitzのレビュー・感想・評価

孤狼の血(2018年製作の映画)
2.5
昭和が終わる夏の広島。対立する2つの暴力団とそれを取り締まる警察の物語。「暴力」「金」「キャバレー」と定番コンテンツを網羅した純正ヤクザ映画です。
地方警察に鎮座するズブズブ癒着系巡査部長・大上(役所広司)と内偵のために県警本部から派遣された日岡(松坂桃李)。「警察じゃけ、何やってもええんじゃ」と吐き捨てるほど破天荒な大上に疑惑の目を向ける日岡が最終的には・・・という結果的にはダークヒーローモノです。
暴力団の抗争はかなり攻めた演出です。特に惨死体のリアリティには相当な気合いが感じられます。が、役所広司を筆頭に、竹野内豊や江口洋介演じるインテリヤクザたちなど、品行方正漂うキャスティングのためどうしても迫力に欠けます。(チョイ役ながらも"outsider"黒石高大の目つきが本物との違いを物語っています)
またヤクザ映画のお約束、エロさも薄っぺらい。同じ東映の代表作「極妻シリーズ」のポルノ映画と見紛うほどの演出を踏襲してもらいたいものです。
ストーリーはとてもおもしろく、静止画に活字テロップ×ナレーションの組み合わせなど演出の意気込みは感じられますが、結局はコンプライアンスの壁は超えられない「昭和風」の作品です。
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