“永遠の透明性”
13歳の時からずっと一緒だった七月と安生。二人には、二人だけの、永遠の透明性があって。やがて、成長するにつれ、周りの景色の変化とともに、二人の間に、言いたくても、言えない事や、言わなくてもいい事を口にして、お互いに傷つき、透明なものは次第に濁って行く。
だが、歳を重ねて、それぞれの居場所が出来てからは、また二人はお互いを想うようになり、
会えば、一瞬で二人だけの透明なものが守ってくれた。離れている時は、それぞれが自分の影を踏んでいた。
青春群像劇かと思いきや、後半は、サスペンスのよう。とても、シャープな脚本。決してドライではない。二人の少女が大人の女性へと成長しても、決して失わなかった永遠の透明性を描いた傑作だ。