メランクさん

ソウルメイト/七月と安生のメランクさんのレビュー・感想・評価

ソウルメイト/七月と安生(2016年製作の映画)
5.0
あれ?韓国映画じゃなかったの?
と思いながらとりあえず観賞したら、
韓国のやつは今作のリメイク版だったのね。
知らずに最後まで観賞しました。

ってもうこの作品はヤバかった!
どうしよ、リメイク版はちょっと見るの怖い!
この作品の全体のバランスが好きすぎる!

まず女優さん2人がすばらしい!
決して恵まれてるとは言えない家庭環境で育ってロックに生きる安生と、
家族愛に溢れた中で育って安定した人生へと向かってく七月。
どちらも絶妙なキャスティングです。

そしてこのわかりやすい2人の置き方は
自分としてもずっと揺れてきたことだし、
どちらかと言うと安生寄りに生きてきた人間として、
七月が自分のバランスを崩してく過程が切なく見えて、
だからこそ終盤の展開がやっぱそうなんだよな〜と思っちゃう。

結局、好きな男が同じって話はメタファーで、
男自体の問題ではないってのは彼自身が真相を知らずに退場してくことからも明らかだと思う。
2つの価値観の中で確かめ合ったり咎めあったりを繰り返す2人がただただリアルで尊く、
最終的にありえたかもしれない七月を描く部分には、
つまりこれって一人の人間の人生の話とも解釈できるなと感じました。

見始めてすぐに「あれ?七月がこっち?」って混乱するんだけど、
見終わってみるとその理由もわかる。
とにかく物語としての完成度が高いし、
こういう女性2人を主人公にしつつも
解釈の余白を残す感じがたまらなく好き。
やはり韓国のリメイク版も気になる!

でもこのクオリティを超えられるかな?
好きすぎる一作!