トムヤムくん

ファースト・マンのトムヤムくんのレビュー・感想・評価

ファースト・マン(2018年製作の映画)
4.1
当時ウッキウキで映画館に行ったのに、めっちゃ序盤で寝ちゃって目が覚めたらもう月に立ってたやつ。ようやく再鑑賞。めちゃくちゃ面白いやんけーーー!!!!

『セッション』『ラ・ラ・ランド』 と音楽映画で2作連続のオスカー候補となったデイミアン・チャゼルが初めて手がけた宇宙モノ。アポロ11号で人類初の月面踏査を成功した宇宙飛行士ニール・アームストロングの伝記映画。

ヴェネツィア国際映画祭で上映された際には「オスカー大本命」の呼び声も高かったのに、興行的に躓いてしまって結果的に冷遇されたのもまだ記憶に新しい。みんなは『ラ・ラ・ランド』みたいな華やかなものを期待したんだろうなあ。

個人的に好きだったのは、宇宙モノなのに常にアームストロングの内面を抉り、映し出しているところ。特に家族ドラマの部分に着目しているのが良い。妻を演じたクレア・フォイが良い味を出してた。

またドキュメンタリー・タッチとまでは言わないけどかなり淡々としていて、デイミアン・チャゼルの振り幅の広さに驚かされた。ハードルも上がっているなかで、この作品を生み出しただけでもうかっこいい。それに『ライトスタッフ』や『2001年宇宙の旅』など、名作映画のオマージュもしっかりあってツボ。

あと配役も当時公開されたときは「またライアン・ゴズリングなのか〜」と思ったけど、これは彼じゃないとダメだったよね。役柄が割と『ドライヴ』『ブレードランナー2049』的だし。こういう演技が巧すぎる。

こんなに面白いのになあ。なんで主要部門にはひとつもノミネートされなかったんだろう。宇宙モノとはいえフロンティアを求める話だし、アメリカの人達は好きそうなのに(普通に偏見)。特にライアン・ゴズリングの主演男優賞はあってもよかったと思う。