天津甘栗

ファースト・マンの天津甘栗のネタバレレビュー・内容・結末

ファースト・マン(2018年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

福井にある宇宙科学博物館へ訪れた事があります。
展示室にはアポロ計画等で使用された宇宙船や宇宙服、帰還用カプセルの実寸大サンプルが展示されています。(あと、宇宙人のサンダー君がいます。)
こんなサイヤ人の宇宙船みたいな簡易な乗り物でよくぞまぁ宇宙になんか行ったなぁ、という感想を持ちました。

さて、今作の舞台はスペースシャトルと呼ばれる宇宙船が開発されるよりも数十年前の頃。米国がソ連と熾烈な宇宙開発競争をしていた時代のお話し。

前述の通り、この時の宇宙船は当時の最先端技術と言えど非常に簡易的な造りで、打ち上げ時にはギシギシガタガタバリバリと、今にも粉微塵に破裂しそうな異音を発します。
船内は人一人乗るスペースしか無く、外の様子は小窓から微かに覗く程度の異様な密室世界。更に、けたたましいアラーム音鳴り響きます。
誰しもが本能的に逃げ出したくなる最低最悪の環境。
そんな宇宙船に幾度も乗り込み、死と隣合わせの宇宙飛行に挑戦するニール・アームストロング。
娘の死を抱えながら、死に挑み続ける男の物語でした。

SF映画カテゴリとしては、CG満載でライトセーバーをぶぉんぶぉん言わすスターウォーズとまさに対極の位置付け。
ゴズリンとアームストロング船長のキャラクターも相まって、地味で静かな宇宙空間の無音を強調した実録作品でした。
天津甘栗

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