たーぼーん

冬の旅のたーぼーんのレビュー・感想・評価

冬の旅(1985年製作の映画)
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やらせてくれるか又は愛想がいいかしないと、人間として認めない。極論すればそう言われてる様なものであり、そんな世間に対する怒りの様なものを感じる映画だ。
この作品は85年公開らしいので当時は希望を込めて叫ぶものであったろうが、もしこの映画がここ最近作られたものならば、僕らは叫びよりも諦念として受け止める様な気がする。

それと少し思うのは、同性の方が比較的モナを応援するスタンスの様に感じるが、例えば一緒に仕事する仲間にモナがなったとしたらと考えた場合、彼女は不満ばっかり言ったり後ろ向きなところもあるから、厄介な存在として近づきたくないと敬遠するのではないだろうか。
でもそうであるならば逆に考えてみると、僕らって面接をして人を雇う時とかに、素直で意思の疎通に齟齬がない人を仲間にしていく事があまりに上手くなり過ぎていないか。
皆で必死に効率良く頑張っていくためにはそうしたいのが当たり前ではないかそれはわかるけど、本当にそれが一択の答えなのかというのを、僕は後になってたまに思うんだよなぁ。
作品の内容からそれる様な事を言ってるかも知れないけれど、僕はこの映画はそういう面を心配する作品でもある様な気がしてしまったのだ。