ぱりぱり

冬の旅のぱりぱりのレビュー・感想・評価

冬の旅(1985年製作の映画)
3.0
アニエス・ヴァルダはやっぱり残酷だな〜(そこが好きなんだけど)

モナが自由と孤独を選んでいると言えばそうだけど、ヤギ飼いの人が「怠惰だ」というのも分かる。
モナの最期の直前を見たって、ヤギ飼いの友人がアル中とヤク中で亡くなったって言ってたのと同じ結末になっているもの

モナは人からの干渉を嫌う、でも都合よく人を利用している、で、その事実に気がついていなくて、モナは自分が自立していると思っている

モナに対して優しくしてくれた人は複数いたけれど、ほとんど女性で、多分唯一の男性はモロッコの人だった
彼はモロッコに家族がいないと言っていたから、モナの孤独が理解できたんだと思う
最後に彼が同居するみんなが嫌だと言っているからやっぱりダメだと言ったときは私もひどいと思ったけど、モナが亡くなったことを聞いた彼が言い訳もなにもせずに、モナに貸していたマフラーを触っていた姿を見て考え直してみた
確かに彼はあの状況で唯一モナを守れる人だったし、彼が追い出したに等しい
でも、孤独な彼は人から干渉されること、自分が時には折れないといけないことを理解していたともいえると思う
モナは他人からの干渉を拒んでいるのに、甘い蜜が吸えると思ったら、その人に依存しまくる、そんなモナかみんなかを彼は秤にかけて、みんなを選ぶことしかできなかったんだろう

モナを男性はほぼ「女性」としての側面しか見てなかった。
アニエス・ヴァルダって女性の味方というか、多分フェミニストだけど、でも異色かなと思う
女性に対しても男性に対しても辛辣