土に還る時は一人。
倒れた少女の孤独な旅の経過が、彼女に触れた人たちの記憶で語られていく。
海から現れ、その後は風呂に入らないモナ。臭いと寒々しさが伝わってくる。臭いに慣れた、という言葉が出てきたが、それは残酷な感覚かもしれない。
気儘と答えているけれどどこか辛そうに見えるし、人に頼るようになってくるとさらに孤独になる爪弾かれ感。コニャックの老婆との共感。
彼女から受けたインパクトについての人々のある種詩的なコメント。それぞれに自由に憧れ、楽に生きようとしている様子。
一人分の居場所を作るほどの余裕は、此処にはなかったということか。