このレビューはネタバレを含みます
【LANVINのシンデレラシューズ】
期待せずに観たのですが、とても切ない良作でした。
嘘というかホラというか、言葉巧みに権力者に近付き、必死に人脈を築こうとするNorman。自分を実物以上に大きく見せるあまり、周囲の期待も要求も大きくなり、ついに1人ではとても対処できない所まで来てしまう。話術である程度やって来れたのだろうけど、最後は自分の口が災いの元となり…。
結局一番効果的だったのは、どんなお世辞やコネよりもやはりプレゼントだったのよね。Eshelは政治家にしては?純粋な人に見えましたが。
Investmentと言わずに、誕生日プレゼントとでも言っておけば良いものを!
Normanの周囲は彼を通したコネで欲しいものをゲット。では彼自身は何を得られたのだろう。
首相の友人として一目置かれ注目を集めた短い間、これまで相手にもされなかったVIPや投資家から頼られるというステータスをNormanは満喫できたのかな…。
情に厚く、みんなの期待に応えたNorman。フィクサーとしてのし上がるには優し過ぎたようです。結局孤独なNormanは頼れて頼られる友人が欲しかったのではないかと思いました。
利用する側のつもりが利用されて(させて)終わる。自分で自分の首を絞めたとしても、彼を惜しむシーンが全くないのがとても切なく感じました。罵り蹴飛ばすラビは流石に酷い!
それにしても、人間ってのは呆れるほど欲の塊だ🥲。コネが、欲望で紡がれた蜘蛛の巣のように思えました。
寒さから来る下膨れなのか、アレルギーに見せる特殊メイクなのか、Richard Gereがカッコ良さとは無縁の冴えないおじさんを演じています。