かぴばる

セザンヌと過ごした時間のかぴばるのレビュー・感想・評価

セザンヌと過ごした時間(2016年製作の映画)
4.3
 画家ものの映画。どれも画面づくりが綺麗だから結構観ますが、本作はドラマ部分が好みで3本指に入るかも。

 ポスト印象派の画家セザンヌと、無二の親友にして詩人のゾラの友情と決別を描いた作品。南仏の風景があまりにも綺麗で、そこだけでも十分観る価値がある。セザンヌが心底惚れ込んだのも頷ける。

 丁寧な作りではあるものの、登場人物がかなり多く、また特段紹介シーン等はなしにみな親しげに下の名前で呼ばれるので、前知識がないと置いてけぼりを喰らいがちなところがつらい。有名な作家もみなオーギュスト、クロード、カミーユ、エミールなどと呼ばれるため、ファミリーネームに慣れている日本人としては混乱する。

 ゾラの『制作』をきっかけに決別してしまったふたりのドラマパートになかなか見応えがあり、どうして!!と叫んでしまう山場が見事。人はなぜすれ違うのか……