YasuhitoArai

笑う男のYasuhitoAraiのレビュー・感想・評価

笑う男(1928年製作の映画)
4.3
パウル・レニ監督作品。
17世紀イギリス。ジェームズ二世によりクランチャーリー卿は処刑され、また息子のグウィンプレンは口を引き裂かれ、いつも笑っているような顔になった。盲目の捨て子デアと共に香具師のウルズスに拾われ、成長したグウィンプレンは笑い男として見世物となるが・・・という話。

バットマンのジョーカーの元ネタと言われる映画。コンラート・ファイト演じるグウィンプレンの、特に見世物芝居での見た目はもろにジョーカーだった。
ただ、心は顔に多大なコンプレックスを抱く心優しき青年で、精神性は『殴られる彼奴』の方がジョーカーに近い。
笑っている口の状態のまま、感情を目付きで表現しているコンラート・ファイトの演技がとてもいい。心優しい感じがとても伝わってきた。

主役だけでなく、他の脇役陣もキャラが濃くて面白い。
最初の首吊りの丘が怖かった。内容はメロドラマながら、舞台設定がおどろおどろしい。
最初の船のシーンと上手くつながる形でエンディングが綺麗に決まっていた。

シネマ・ヴェーラでの上映は、とても1928年に撮られた作品に見えないぐらい画面が綺麗で感動した。
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