atamakita

Caravan to the Futureのatamakitaのレビュー・感想・評価

Caravan to the Future(2016年製作の映画)
3.8
"1000年続くサハラの交易キャラバン"

150頭のラクダを引き連れたキャラバンは、ニジェールから3000キロの交易の旅へ
1400キロ地点で岩塩とビーツを交換、そこからさらに南下し、ナイジェリアに密行
家族を一年間食べさせるだけの粟を手に入れる、遊牧民族の生活を追いかけた合計4ヶ月の旅のドキュメンタリー

映像は2003年のものらしいが、現在も行われているようで、遊牧民のリアルな生活の様子が窺える
気温40度の中、水を手に入れた瞬間の喜びや、毎晩の焚き火での会話、夕暮れの砂漠に浮かぶ月など、幻想と現実の狭間で文字通りトリップするかのような体験が実際に経験しているかのように感じられる

民族紛争、植民地化による国境線の制定、現代化の波など、キャラバンの存在を脅かす数々の脅威との戦いと、長い時間をかけ合理化された伝統との間の争いが見られる貴重な史料

あとは音楽が最高
僕のトゥアレグ族への興味のきっかけとなったサハラ砂漠のバンド達がこの当時に存在したのかはわからないが、現在の目覚ましい活躍も一見の余地があるので、これまで知らなかった人は是非Tinariwenやmdow moktarなどのバンドを聞いてみて欲しい
atamakita

atamakita