あーさん

シネマ歌舞伎 京鹿子娘五人道成寺/二人椀久のあーさんのレビュー・感想・評価

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新年の映画初めは、シネマ歌舞伎♪

これは良かった!!
清姫が修行僧 安珍に一目惚れするが、会う約束を反故にされた腹いせに大蛇となって追い詰めた末、寺の鐘に隠れた安珍を焼き尽くし、自らも入水自殺を図る、という伝説を下敷きに、桜の花の季節、紀州の道成寺へ鐘供養に訪れた白拍子(舞を踊る遊女)の花子が所化(修行僧)たちと繰り広げる一連のお話。
あらすじを読むとかなりドロドロしているが、今作では娘らしい清姫の熱い気持ちを主に表現した唄や踊りが中心なので、華やかで艶やかで見応えがあった。
華やかさの後の寂寥感も、味わい深かった。
(お話の元の文楽や能楽ではもっと重苦しい表現になっているという)

五人娘は、玉三郎さんを筆頭にパッケージの写真の五人、中村七之助、児太郎、梅枝に加えて勘九郎が参戦!
それぞれ見事な踊りを披露してくれるので、お正月から眼福この上ない。
各々素晴らしいのだが、やはり玉三郎先生の踊りが群を抜いていて、
ほーっとため息が漏れそうになる。
衣装も豪華、引き抜き(所謂早着替え)の鮮やかさに目を奪われる。
鞠唄、花笠(実家にある日本人形を思い出した!)、手踊り、鈴太鼓…等、次々と披露される踊りや長唄、演出を堪能した。
所化の問答も、ユーモラスで面白い。
最初、"白拍子か?生娘か?"の意味がわからなくてずっと気になってしまったけれど、お話によって全く筋が読めないものに比べると、これは比較的わかり良かったように思う。

他の方も書いてらっしゃるように、挟み込まれるインタビューや舞台裏の様子は大変興味深かったけれど、できればお話の後にしてもらいたかったかな。
途中でお話が途切れるのは、ちょっと無粋な気がした。

実は、こちらにかなりの集中力を取られ、二つめの"二人椀久"は登場人物がずっと同じであまり場面に変化がないのもあってか、殆ど船を漕いでいたという始末。。
全く記憶にないのでござる😅


またいつか観る機会があれば、、と思う。


*ひとり言

この所、Eテレの"にっぽんの芸能"や同じくお正月の"待ってました!歌舞伎生中継"等、良質の歌舞伎に関する番組をTVで観られる幸せを味わっていて、益々もっと深く歌舞伎を知りたいなという気持ちが芽生えてきた。

TVで目を肥やして、シネマ歌舞伎で補強してから、ある程度下地ができたらゆくゆくは舞台も観てみたいと思っている。
それにつけても、副音声の解説は有難いのだけれど、肝心の台詞や音楽がダイレクトに楽しめないというジレンマ。。
録画なら可能だけれど、シネマ歌舞伎や舞台ではそうはいかない。
欲を言えば、通しで観てから次に副音声ありで、計2回観たいなというのが本当のところですなぁ。
しかし、演目によっては副音声無しではさっぱりわからん、、という事にもなりかねないから、悩ましい。。
あーさん

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