GreenT

アメリカで最も嫌われた女性のGreenTのレビュー・感想・評価

2.0
面白そう!と期待して観たら、ガッカリ!という映画です。

主人公のマデリンは無神論者で、息子のビリーの学校でお祈りや聖書を読むのが学校の規則として当たり前に行われているのを知り、学校を訴える。

マデリンは、アメリカ合衆国憲法修正第1条で、表現の自由、報道の自由、そして宗教の自由は保証されているんだから、キリスト教のお祈りが学校の規則になるのはおかしいとして、裁判に勝っちゃうんですね。

無神論者と言うと、日本では大したことではないと思いますが(ですよね?)アメリカで無神論者って結構「信じられない!」って思われるみたいです。ワタシの元カレは無神論者だと自分で言っていたのですが、「友達も知っているけど、その話題に触れるとギクシャクする」と言ってました。

なので1960年代に無神論者なんて言うと「アメリカで最も嫌われた女」になってしまうのですが、マデリンはそういう状況を楽しんでしまうというか、すげー肝の座った女性だなあと思いました。

このマデリンをあのメリッサ・リオが演じているので、さぞすごいんだろうなと期待していたのですが、確かにメリッサ・リオが演じるこの豪快なおばさんは、結構笑えて面白かったけど、映画全体がなんだこりゃって感じで、脚本・監督が悪いんだろうなあって思いました。

iMDb の投稿者の評価も低めで、ある人は、

「衣装担当をクビにしろ!」

ってすっげー怒ってたんですけど、本当にメリッサ・リオのカツラひどすぎます。

私も普段は衣装にこだわるのに今回は普通に観ていたのは、実在のマデリンがこういう変な見た目の人だったのかな?と勝手に信じていたからなのですが、この投稿者のコメントを見て、実在のマデリンをググってみたら、やっぱカツラ変だよ!

マデリンの孫のロビンの髪型もなんかおかしかったもんなあ。

いずれにしろ、最初3分の1くらい、マデリンが無神論者として息子のビリーと活動し始めたのは、法律の勉強をしたのに女性だからと受付のような仕事しか見つからず、フリーセックスの時代だけど、妊娠すると男は責任取ってくれず、仕事もなく両親と同居せざるをえないのに子供だけは増えていくという、なんかこういう状況が彼女の人物形成に影響したんじゃないか、みたいな切り口は面白かった。ブラック・コメディっぽく描いていて。

それが、かなりおばあさんになってから、お金目当てに誘拐されるんだけど、過去に勝手に姿をくらましたことがあったりして、当局は誘拐事件として真剣に扱ってくれない。

縛られているのに誘拐犯を罵倒したり、マデリンの素行が面白いんですが、この誘拐の状況と、マデリンの活動の話を回想として交互に織り込んだ構成が見辛いしあんまり意味ないし、退屈で寝落ちしました。

警察が真剣に捜査してくれなかったのは、昔の素行が原因でもあるんだけど、やっぱ無神論者だったからじゃないの?って気もする。つか、そういう「この映画はどういう解釈で見せたいのか」ってところが全然なくて、ドキュドラマみたいなつまらない作りになっている。

別の iMDb 投稿者が「TVドラマよりはマシだけど、映画のレベルではない」って言っていたけど、そのとおりだなあと思った。投稿者は概ね「テーマが面白いので、もっと上手い人に作り直して欲しい」と言ってた。

メリッサ・リオ、名優なのにもったいないなあ。あと、マデリンの誘拐事件を追う事になってしまう新聞記者をアダム・スコットが演じているんだけど、この人が出てる映画ってなんかパッとしないことが多い(笑)。

ネタバレはコメント欄で!
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