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レディ・マクベスのmのレビュー・感想・評価

レディ・マクベス(2016年製作の映画)
2.5
食器はロイヤルコペンハーゲンかな。それぐらいしか記憶に残らなかった作品。
不倫を通して描かれる、抑圧からの解放というテーマ性、従来の作品群から秀でるものではなかった。

フローレンス・ピューさん演じたキャサリンが欲望の為なら殺人も厭わないサイコパスだというのを聞いて観たくなった作品。そして抑圧される女性が自らを解き放つ私得なストーリーに期待して観たが、従来のそういった作品となんら変わらず残念に感じた。
とくに特出しておらず、製作されたのが2016年(日本公開が2020年)なんだけど、手垢のついたストーリーだったと思う。

19世紀後半のイギリス。17歳のキャサリン(フローレンス・ピューさん)は裕福な商家に嫁いだ。年の離れた夫は彼女に興味が無く体の関係を持たない。屋敷で退屈な日々を過ごしていたある日、夫の留守中に若い使用人セバスチャン(コズモ・ジャービスさん)に誘惑され、不倫関係となる。そんなストーリー。

『ミッドサマー』に出演していたフローレンス・ピューさん。『ミッドサマー』でもとくに気になる存在では無かったのと、『ミッドサマー』でしかお会いしたことがないので、とくに彼女に思い入れがない。今作もとくに演技力が高かったというわけでもなくて……。
というより、若干気になったのが彼女が演じる17歳が17歳に見えなかったということ。貫禄がありすぎて十代には見えなかった。
謳い文句である17歳。17歳という多感な時期の年齢が一個のキーである今作。
十代なりのウブさがあれば良かったんだけど最初からすれていて、理不尽に抑圧された可哀想な女の子という雰囲気がなかった。キャサリンにも悪いとこあったんじゃない?みたいな。

不倫という関係に至ったのも、【愛されたい】という気持ちよりは【所有したい】というほうが大きかった。が、そこに至る背景がうまく描かれておらず感情移入も出来なかった。(17歳で売られたとなれば歪むだろうが、作品に投影されておらず、設定だけに留まっていたイメージ)
いっそのこと突き放す程のサイコ的な要素があればまだマシだが、それも弱い。
総じて中途半端なキャラクターの描き方だった気がする。

意外と気になったのは女中アンナを演じたナオミ・アッキーさん。ラストのやってらんないといった呆れたような、また絶望を感じるような表情がセリフがないのにびしびし感じられた。あの表情は演技力が高かったと思う。

とりあえず食器はロイヤルコペンハーゲンだった。

ストーリー : ★★☆☆☆
映像 : ★★☆☆☆
設定 : ★☆☆☆☆
キャスト: ★★☆☆☆
メッセージ性 : ☆☆☆☆☆
感情移入・共感 : ☆☆☆☆☆

cc/少々は、純粋で残酷な怪物になる──
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