mimagordon

レディ・マクベスのmimagordonのレビュー・感想・評価

レディ・マクベス(2016年製作の映画)
4.6
マクベス夫人の行動は、確かに狂気。だけれど、時は19世紀で、マクベス夫人は後継ぎ作りのために買われた身。女性に発言権などないばかりか、不妊は全て女性の責任。マクベス夫人を狂気に駆り立てたのは、他でもない周囲の男たちのせいだ。彼らの行動は、当時は全くもって道徳的かつ紳士的だったのかもしれないが、今となっては狂気だ。マクベス夫人の求める愛や性欲を主軸として現代にこのような形でその物語が語られるのは、女性を権力で抑えつけ、逆らうならば「狂気」とレッテルを貼ってきた社会への反省だろう。だからこそ、ラストの眼差しにとてつもない虚しさを感じた。フローレンス・ピューの演技、特に目で語る力は圧巻。マクベス夫人もまた、愛を求めた一人の人間に過ぎないのだ。
mimagordon

mimagordon