ラーチャえだまめ

コロンバスのラーチャえだまめのレビュー・感想・評価

コロンバス(2017年製作の映画)
4.0
『建物が“主役”の異色の映画』





ん建物??これは一体どーゆーことでしょうかー!?ある1組の男女が紡ぐ物語をその後ろでそっとたたずみながら見つめ続ける「建物」……いやもっと言うなら「モダニズム建築」が本作の「主人公」…!!というですね、これはにっちもさっちも……あいやちょっとやそっとどころの騒ぎではない非常にマニアック……というより目のつけどころがシャープでしょって映画、だったんですねー。


そもそも「モダニズム建築」ってなんだよコノヤローって話ですよね?“近代建築”を指す言葉でオフィスや病院、図書館など施設利用者がいる建造物、と言ったらいいのでしょうか(建築学は全く無知なのでこれぐらいが限界)あくまで利用者のための建築物でありますので機能的そして合理的でなければなりません。ですがその中でも美術的、芸術的センスに秀でた俗に言う「見て楽しむ」をコンセプトとしてデザインされた建築物も存在するわけです。でもって今作はそんな建築物が特に多いとされるインディアナ州コロンバスにある実在するモタニズム建築をじっくりと鑑賞することが出来る!?せいぜいタモリ倶楽部か建築ヲタだけが萌えキュンしちゃうようなマニアックな映画なのか!?とも思っていたのですがそのような心配事は全て無用の産物なんでございます。いやむしろ私のような建築に全く精通していないド素人共目こそ楽しめてしまうかもしれない??明日からアナタの住む街の景色が、“見方”が変わるかもしれない!?


ぶっちゃけ「人間ドラマ」をメインにして見るとそこまで感情を揺さぶるような話でもなく「え、こんなもん?」と人によってはそう感じてしまうかもしれません。しかしその人間ドラマを「建物を中心にして」見る(ちょっと難しい表現で自分でも何言ってるかわかりませんが)そうすることで本来作品の中登場人物の「背景」として映るだけの建物が、物語を生み出す「影の立役者」的ポジションにも見えて、よりはっきりとした「主役の顔」として映ってくるのかもしれません。そんな「建物を見る」行為を、映画という媒体を使い行おうという、非常に実験的かつ斬新な映画かもしれません…。



↓ブログにも感想書きました↓
https://edamamemamade.wixsite.com/edamame-movieimpact
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