身近にありすぎて魅力が分からないものも少し視点を変えたり、距離を取って眺めてみれば、また別の姿が見えてくるのかもしれない。そんなことが浮かんだ基本引きのショット。建築物も映画の主役。
ずっと引きかと思いきや、悩みを吐露する時は微細な表情の変化が分かるほどに寄る。印象的なのは建築物の豆知識を語るのではなく、なぜその建築物が好きなのかを語り始めた時。この場面で声は消えるが、語っている時の表情で、本心を明らかにしていると察せられる。そういった瞬間がいくつもあって良かった。
新作の予習で観たが、好きになりそうな監督。新作にも期待。