回想シーンでご飯3杯いける

オフェンダー 〜コソ泥珍道中〜の回想シーンでご飯3杯いけるのレビュー・感想・評価

3.2
イギリスやアイルランドの青春映画で必ず出てくる丸刈りのヤンチャ坊主。最近だとジョン・カーニーの「シングストリート」にもそんな連中が出てきたし、「トレインスポッティング」のユアン・マクレガーも同じ系譜か。高校を中退した落ちこぼれ2人組が、コカインを積んだ船が漂着したというニュースを知り、それを横取りする事で一攫千金を狙うという、要するに無謀&なーんも考えていない、おバカ珍道中映画である。

定職にもつかず、反抗する相手は親だけという、何ともちんけな2人組のアホさ加減が見ていられなくて、途中で観るのを止めようかと思っていたのだが、コカインを運ぶ売人もまた同様にしょうもないおっさんで、低予算な映像も相まって、気が付いたらこのどうしようもない世界観に愛着を感じるようになってしまった。

終盤のドタバタもアホらしさを通り越して、何だか愛おしい。主人公を女1人で育ててきたオカンも要は元ヤンでしかないんだけど、その大きな愛は誰にも負けていない。

尺も短いので低予算青春コメディをサクッと観たい時におすすめ。