kanegon69

100メートルのkanegon69のネタバレレビュー・内容・結末

100メートル(2016年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

なんの予備知識もなくこの映画を見始めたのですが、非常に意義深い映画でした。実話に基づいたストーリーです。日本では病名になじみがない方も多いかもしれないですが、多発性硬化症(MS) という難病を発症した35歳の男性の物語です。欧米では多発性硬化症(MS)の発症者が多く、職場等でも多くの偏見や差別にあっているようです。脳や脊髄、視神経のあちらこちらに病巣ができ「再発」「寛解」を繰り返し症状が悪化していき、感覚の障害、運動・歩行障害、眼の障害、排尿・排便機能の障害など日常生活に大きく支障がでる事が多いようです。

この物語では実話に沿い、突然の難病宣告によるショック、戸惑い、怒り、葛藤などを描きつつ、妻・義父とともにトライアスロンに挑戦していくことで、家族の絆を取り戻し、必死で生きようとする姿を描いています。

トライアスロンは17時間を超えたら失格となるようですが、この主人公は17時間ぎりぎりでどうにゴールします。その時の実際の映像と交互に混ぜられており、最後に胸にぐっとくるものがあります。

エンドロールでこの男性のその後のトライアスロン・マラソンなどのさらなる活躍の様子と、残念ながら3年後に再発した事実がでており、加えて、この難病に対する偏見が多いことが書かれていました。

病気というものは本人は本当につらいのに、周りが無知であることにより、社会的に偏見にさらされることが多く、一人でも多くの人が正しい知識を得ることが非常に大切だと思います。そのためにこのような映画は非常に価値があると思います。世の中に難病と呼ばれている病気はたくさんありますので、まずは我々ができることとして、正しい知識を持ち、偏見をなくすこと、そしてできるならば社会的な支援基盤(セーフティネット)を整備していくことだと思います。
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