スピルバーグの社会派作品。勧善懲悪で爽快だった。メリル・ストリープとトム・ハンクスの持ち味が活かされていてとてもおもしろかった。
泥沼化するベトナム戦争をアメリカ政府は優勢であると発表し続けていたが、戦況を分析した最高機密文書が何者かに盗まれ、ニューヨークタイムズ紙にスクープされる。
主役は地方紙で家族経営であったワシントン・ポスト紙の社主のケイト(メリル・ストリープ)と編集主幹のベン(トム・ハンクス)。
メディアが政治家や財界と蜜月の仲で、権力を監視する姿勢を表立って示していなかった時代のこと(日本は、というのは置いておいて)。
家族経営から株式公開する寸前に、ワシントン・ポスト紙にも、何者かによって最高機密文書が届けられる。
ニューヨーク・タイムズ紙は、国家機密を漏洩したと、差し止め命令が要請されていた。
創業一族のお嬢さまケイトが、いわば院政である古老役員達の助言に従い、投資家、金融機関、蜜月の政治家、高官の顔色を見て、従来どおり、伝統ある家族経営の地方紙として何事もなかったかのように、スクープを握り潰すのか。
あるいは報道の役割を認識し、リスクを冒すのか。
実話であり結果はわかっていても、メリル・ストリープ演じるケイトが、政界、財界との「しがらみ」を切る瞬間が見ものです。さすがの演技で、その瞬間までしっかり引っ張られました。
活字となった真実は、水戸黄門の印籠(たとえが💦)。
ワシントン・ポストが最高機密「ペンタゴン・ペーパーズ」を掲載したことで、反戦運動が拡大した。