御朱印帳

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書の御朱印帳のレビュー・感想・評価

3.3
ベトナム戦争の泥沼化を予見していたにもかかわらず、歴代米政権が止めようとしなかったことを報道したワシントンポストとニューヨークタイムズの報道側からベトナム戦争の真実が知られた過程を描く。

メリル・ストリープ演じるワシントンポスト社主が経営のため株式上場しようとする時期にこの事実を知り、国防長官だつたロバートマクナマラと周知でもあり、報道するか否かで苦悩するが、最後は何人もの若者が勝つ見込みのない戦争に送り込まれている理不尽を世に知らせることを決断する。

メリル・ストリープが年齢も重ね、普段は頼りなく、軽んじられているワシントンポスト社主を抑制的に好演、さすが大女優と感じた。あのような報道することを決断することは、男では政権に癒着したまま、会社の利益や訴訟リスクに囚われて、女性ならではの判断だつたかも。

新聞の作成過程がタイプライターや活版が組み込まれる過程も描かれる50年前の世界が新鮮に感じた。

ワシントンポストが報じていなければベトナム戦争がもつと長引いていた、ということか。一度始めた戦争を止めるのは大変、という今日に繋がる真理を噛み締める。

ちようど、NHKの「映像の世紀」でマクナマラが戦況が悪化しておるにもかかかわらず、記者の前で平然と笑顔で楽観的にウソの見通しを語るシーンを放映していたのを見たのでなおさら。
御朱印帳

御朱印帳