Masaharu

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のMasaharuのレビュー・感想・評価

2.0
脚本が嫌いなタイプ
自由と平等と民主主義は絶対正義で、それを妨げるものは悪という、一辺倒のプロパガンダ映画に感じた。
あるいは、豪華役者陣でやる邦画実写アニメのような商業映画感。

権力者や上流階級は総じて悪。
対立する側の思考は描写されない。ときの大統領は絶対権力者の悪というエピローグも添える徹底ぶり。
戦争がダメなのは、勝てないのに自国の兵士が行くからダメなんだ程度の描写。

そして、この映画を見て気が付いたのはマスコミのポジショニングが嫌い。
平時には食い扶持or他誌を出し抜くために社交界に出入りしておきながら、スクープが出来た途端報道の自由という絶対不可侵の聖域に立て籠もって大手を振って喧伝する。

つまり、この映画の要素がことごとく嫌いなんだと実感しました…笑

演出や展開も良かったと思います。こんだけ嫌いだと言いながらも、最後まで集中して見ていたので笑
役者陣は登場人物が多い中、キャラ立ちがするいい演技、スタイリングだったとおもいます。

・個人的メモ2018/4/2
ほかの方のレビューにスピルバーグの「この映画は私たちにとっての『ツイート』のようなものです」という、朝日新聞のインタビュー記事が紹介されていたのですが、この一節でハッとしました。
制作チームにとっては、気軽で素朴な140文字に収まるテーマを、9ヶ月で映像にしたという事実に。
熱量とパワーが違うなと感心しました。よくも悪くもシンプルなんだなと。

・メディアについて
それと同時に、誰もがネットを通じてメディアになれる現代で新聞社が出る幕はあったのだろうかという疑問が湧いた?リークサイトにダンがアップロードして拡散されて終わるのか?
それを要約して社説を添えるという報道行為をするのか?

メディアのシェアが減ってプロが減れば、広い知識で物事を読み解く人材が減る。シェアが増えれば食い扶持のためにスキャンダラスな報道を増やさなければならない。メディアという生業、職業の抱えるジレンマをどう自己肯定していくのか。

・世界情勢と自由について
報道の自由と民主主義が正義なら、言論統制と社会主義は悪になる。
すなわち中国は悪になる。
その悪に経済戦争を仕掛けようとするトランプ大統領は正義なのか?
自由の旗の元に対中国戦争を仕掛けた時、アメリカメディアはトランプを応援するのだろうか?
ニクソン大統領という悪に立ち向かったワシントンポスト紙、ライバルと共に戦ったタイムズ紙のように。

・チャーチルとトランプ
チャーチルは数多の失敗をしながらも大統領になって、WW2の勝利を手繰り寄せた(絶対に勝てない状況から、日本による真珠湾攻撃がアメリカを参戦という神風となってドイツを退けた)
もし、現代で米中戦争が起きたらどうなるのか?
トランプは勝てるのか?
北朝鮮、韓国、日本、ロシアはどう動くのか?どこが戦場になるのか?神風は何処から吹くのか?

報道の自由が捩れた糸を直す時、外交関係のバランスを崩さないのか?
糸が捩れる原因は何か?権力か?保身か?欲か?情か?

世界の軍事力ランキング(Global Firepower:2017年)
1 アメリカ (0.0891)
2 ロシア (0.0963)
3 中国 (0.0977)
4 インド (0.1663)
5 フランス (0.2001)
6 イギリス  (0.2198)
7 日本 (0.2227)
8 トルコ (0.2614)
9 ドイツ (0.2634)
10 イタリア (0.2772)
11 韓国 (0.2804)
12 エジプト ( 0.3095)-
13 パキスタン (0.3367)
14 インドネシア (0.3471)
15 イスラエル (0.3589)
16 ベトナム (0.3701)
17 ブラジル (0.3771)
18 ポーランド (0.3876)
19 台湾 (0.3901)
20 イラン (0.4024)
21 タイ (0.4061)
22 オーストラリア (0.4173)
23 北朝鮮 (0.4327)
24 サウジアラビア (0.4452)
25 カナダ (0.4465)
26 アルジェリア (0.4477)
27 スペイン (0.5027)
28 ギリシャ (0.5142)
29 スウェーデン (0.5787)
30 ウクライナ (0.5851)

なんとなくグループ分け
1〜3位:グループA
4〜7位:グループB
8〜11位:グループC
以下略
Masaharu

Masaharu