Tai

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のTaiのレビュー・感想・評価

4.2
緊張しっぱなしな上に、それが加速していくのだから、疲労感が凄いです!(良い意味で)

真実を伝えるのか?
これは、単に国の不正に対して新聞社が異議を唱えたというだけではありませんでした。
メディア人であるというプライドと、国を思うからこそ伝えなくては。
しかし、新聞社を失うことになるかもしれない。
それは自分の生活だけではなく、そこで働く者と、その家族全員が路頭に迷うことになる。
それどころか、場合によっては犯罪者になるというリスクも…

事実を元に作られている以上、機密文書が記載されたことはわかっていながらも、ギリギリまで「本当に公開するの?」とハラハラドキドキ。
この作品のレベルの高さには舌を巻きます。

戦争を行う上では政府の隠し事など必ずありうることで、しかし、こうした問題が水面下で沈んでいくことなく立ち上がる者たちがいて、それに続いて抗議する国民が続々と増えていくというのは第二次世界大戦時の日本では出来なかったこと。
この辺りにも「自由の国アメリカ」の強さを感じざるを得ませんでした。

これらの完全に当事者達の1人になったかのような臨場感を生み出したのは、スピルバーグ監督はじめ、安定の役者陣を柱にした演出力あってのものだったのではないでしょうか。
自分が本当にこの当事者だったら緊張で吐いてますね!

歴史的背景を知らずに観ても、こうした良質な作品によって関心を持ち、鑑賞後に調べてみてもいいですね。
現代ではインターネットで楽に調べる事ができるというのは本当に便利になりました。
ただし、何が信用たる情報か見極める点には、くれぐれも注意しなくてはいけませんが。

止まる事を知らない緊張感の中で出てくるレモネード売りさんが唯一のオアシスでした(笑
Tai

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