エンポリオ

ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書のエンポリオのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

日本ではなかなか味わいにくい空気感に緊張と興奮を覚える。
終わりを迎えようとしないベトナム戦争の末期、ニューヨークタイムズ紙は全米に留まらず全世界を震わすニュースを報道した。正義、世界秩序の安定を大義名分としてアメリカが軍事介入していたベトナム戦争に隠された政府の嘘。報道の自由と向き合うバトンがワシントンポスト紙に渡った時、ボスと編集長が下した決断とは。
見応えのある、起承転結のしっかりとした作品だった。どの程度史実に忠実で、どの程度フィクションの要素が盛り込まれているのか把握出来ていないが、こういう時代や世界を覗き見ることが出来ただけでもかなり貴重な体験であったと思う。
全体としては重量感のある作品という印象を受けたが、社主であるキャサリンの感じる、感じてきた苦悩に関しては情報量や描写が圧倒的に足りてなく、どうにも心情を察することに難を覚えるシーンもあった。
映画の内容や仕上がりどうこうよりも、描かれている舞台やその要素について話が流れてしまいそうな枠組みではあったが、非常にバランスの取れた良い出来になっていると感じた。
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