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蜘蛛の巣を払う女のYYamadaのレビュー・感想・評価

蜘蛛の巣を払う女(2018年製作の映画)
3.5
【サスペンス映画のススメ】
〈ジャンル定義への当てはめ〉
 ○: 観客の緊張感を煽る
 ○: 超常現象なし

◆作品名:
蜘蛛の巣を払う女 (2018)
◆サスペンスの要素:
・事件の真相解明

〈本作の粗筋〉 eiga.comより抜粋
・特殊な映像記憶能力を持つ天才ハッカーで、背中にあるドラゴンのタトゥーが特徴のリスベットは、AIの世界的権威であるバルデル教授から、図らずも開発してしまった核攻撃プログラムをアメリカ国家安全保障局(NAS)から取り戻してほしいと頼まれる。
・依頼を受けて陰謀の裏を探っていたリスベットは、やがて16年前に別れた双子の姉妹カミラの存在にたどり着き、カミラが仕かけた罠にはまってしまう…。

〈見処〉
①リスベット、16年前なぜ私を見捨てたの…「ミレニアム」シリーズ第4作
・『蜘蛛の巣を払う女』は2018年に公開されたミステリー・サスペンス。
・ハリウッド版『ドラゴン・タトゥーの女』(2011)の事実上の続編として製作された本作は、前作の監督デヴィッド・フィンチャーが製作総指揮を務め、『ドント・ブリーズ』で注目されたフェデ・アルバレスがメガホンをとっている。
・また、主人公のリスベット役を『ファースト・マン』のクレア・フォイ、ミカエル役にスベリル・グドナソンを配し、スタッフ、キャスティングを一新して臨んだ本作では、北欧スウェーデン三部作では語られなかった、リスベットの双子の妹との過去が語られている。

②2人目の原作者
・「ミレニアム」シリーズの原作者である北欧スウェーデンの作家、スティーグ・ラーソンは、全10部の構想のもと、第1作「ドラゴン・タトゥーの女」の出版を待たず、第4作である本作原作を執筆中の2004年に急逝。
・彼の死後となる2005年に「ドラゴン・タトゥーの女」、2006年に「 火と戯れる女」、2007年に「眠れる女と狂卓の騎士」が出版され、世界的大ヒットを記録。
・2009年には映画化された本シリーズ小説のコンセプトとキャラクターを2人目の原作者となるダヴィド・ラーゲルクランツが引き継ぎ、「蜘蛛の巣を払う女」(2015)、「 復讐の炎を吐く女」(2017)、「ミレニアム6 死すべき女」(2019)が出版されている。
・2021年現在で映画化されていないシリーズ小説が2作あるが、本作『蜘蛛の巣を払う女』の興行上の失敗により、続編製作のハードルは非常に高い。

③結び…本作の見処は?
◎: ハッキング能力を駆使し、アクション場面を増した本作は、シリーズ未鑑賞の方も楽しめる「女性版007」のようなシリーズ屈指の娯楽映画と仕上がっている。
▲: 謎解きミステリー要素は消え失せ、リスベットとミカエルの関係性や新キャラクターの姉妹カミラとの絡みも希薄。
▲: 自閉的な性格は消え失せたリスベット。本作では「正義の味方」描写が多く、前作までの鑑賞者には賛否両論のキャラクター描写となっている。
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