Ya映画鑑賞

パレードのYa映画鑑賞のネタバレレビュー・内容・結末

パレード(2010年製作の映画)
4.2

このレビューはネタバレを含みます

パラサイトに通じるものを感じた。

現代社会に蔓延る「上辺だけの関係」を、5人の若者の人間模様を通して描く。

暴行事件の犯人だった直樹。「みんなもう知ってるんじゃない?」というサトルの言葉にはおそらく観客もゾクっとさせられただろう。

直樹以外の4人も直樹に無関心だったわけだが、
直樹もまたサトルの犯罪行為を「もう知ってい」てそのままにしている。


親のいない若者だけの集団生活の中に生まれる、互いに深く干渉せず自由にさせてくれるという「甘え」が「怪物」となって、彼らに尋常でない選択をさせてしまうのか。

中盤から、直樹以外の4人が徐々に未来に向けて部屋の外へ歩み出す様子を見せていく。

しかし、ラストシーンでは再び、冒頭から1人増えただけの「上辺だけの関係」に戻っている。結局誰もあの部屋を出られない。
これが、「少し大きくなっただけのもう一つの宇宙」、ということであろうか。



苦手なテイストの映画ではあるんだけど、ラストシーンの、ホラーとも言えるまでの4人の無関心さが非常に印象的。尻上がりでラストにピークを持って来れた作品だと思う。

あと個人的に良かったのは、朝か夜か分からん色の空とか、何時に帰ってきても薄暗い部屋とか。
街が昼夜関係なく動き続ける都会の感じと、不規則でだらしない大学生の生活を、特に照明を効果的に使って表していたと思った。



藤原竜也かっこいい…
毎回惚れ直してるな


2021.86

原作は『太陽は動かない』と同じ吉田修一。
行定勲は、『せかちゅう』『窮鼠は…』『ナラタージュ』とかの監督。
第60回ベルリン国際映画祭で国際批評家連盟賞を受賞。



2回目鑑賞。
人生を無駄にしてる的な人物として、俳優を恋人にもつ女の子、をキャラクターに据えたのが賢い。思いつかんやろ普通。
Ya映画鑑賞

Ya映画鑑賞