ふじこ

グラウンドブレイク 都市壊滅のふじこのネタバレレビュー・内容・結末

3.5

このレビューはネタバレを含みます

アルメニアの災害もの…、どんな感じなんだろと思って視聴。
フィーチャーされる登場人物達の事情や生活が映し出された後、突然の大地震。
石造りの古い建物ばかりの街は次々に倒壊し、車も横転。アーチ造りの下なら安全だぞ!と誘導して目の前でアーチが崩れたり、倒壊寸前の病院に駆け込んで子供を助け、崩れた階段を諦めて窓から子供を放り投げて自身は崩れた建物の下敷きに…。

地震直後のシーンは思わず恐怖を感じてしまった。逃げ出す車から舐めるように崩れ去る建物が映し出されたり、病院の倒壊シーンのカメラワークも拘りありそうで良かった。

揺れが収まってからは、瓦礫の下から他の人を助ける為に力を貸したり、子供を庇って鉄骨のようなものが身体を貫くも子供を気遣う母親や呆然と座り込む人、トラックに遺体を積み上げながら冗談を言って咎められると、今積んだ遺体は自分の誕生日に来てくれた客だ、冗談でも言わなきゃやってられないと答える男、怪我人をトラックで運びながら倒壊した街を見て泣きながら運転する男と、上空からは街全体が崩れ去ってしまった様子が映される。
CGのシーンもあるのだろうけれど、合成が上手いのか全然気にならなかったなぁ。最近の映画でも、流石にね…?ってくらいのはあるのに。すごい。

地震直後にも関わらず、他の街から次々に食料やツルハシなんかの作業道具を持って駆け付けた人達が列を成しているシーンとかも良かっ一方で、人間として最底辺だと思う火事場泥棒なんかもしっかり居る。
8年前に自動車事故で家族全員を奪ったヤツが、出所してきて災害の場で活躍し、最愛の娘を瓦礫から掘り起こして泣いているのを見る複雑な気持ちとか、妻子のいる男に孕まされた一人娘を許すわけにはイカン!と頑固になっていたオッサンが気持ちを改めるところとか、人間ドラマもしっかりある。
ママと生き別れになってしまった男の子が可愛くて可哀想で胸がキュッとなったりもした。

そして最後の最後に、あっ実話だったんだ…となってしまった。実際の震災の被害の報告と沢山の戦災孤児が出たもののみんなが引き取られていった、と。子供が棺に入れられているシーンや簡易キャンプみたいな場所で暖を取っているシーンなんかも、エンドロールで実際の写真と並べて表示される。
かなり実際の写真や資料に忠実に作られていたみたいで余計に辛みが増す。

ここでもunextでも評価はそこまでな感じだけど、見知らぬ国の大災害がなかなかリアルに感じられて怖かったなぁ。
ふじこ

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