ひげしゃちょー

ラプラスの魔女のひげしゃちょーのレビュー・感想・評価

ラプラスの魔女(2018年製作の映画)
3.8
犯人探しをミステリーの主題と考えるとこの話はどんでん返しも何もなくミステリーやサスペンスとしては致命的かもしれないが、もしも未来を予知できたらという荒唐無稽かつ破天荒で壮大なスケールの話が絡んでくるのでその致命的な欠陥をカバーしてくれている。 その壮大なスケールの話を甘粕親子の憎しみ合いが身近でも起こり得る話に落とし込んでくれている。親父の思想も突出していて理解はできないが。 ミステリー要素は復讐劇に色付けるためといってもいいかもしれない。 今回、凄くできちっと作られたストーリーなので三池監督の遊びと言ったら竜巻に舞う牛と助手のミャンマーと書かれたツナギぐらいのもので、こういうのも撮れるんだという驚きがある。それと、広瀬すずをとても魅力的に撮っていたのが驚き。 主人公である青江教授がガリレオの湯川教授とは正反対で「ありえない。不可能だ。」を連発し、ひたすら受動的に円華や刑事に巻き込まれるのでもはや主役が誰だかよくわからないが、それがかえって親近感を持たせている。 甘粕親子で対決シーンは舞台を観ているかのようで豊川悦史に圧倒される。 ただ、三池監督本人は甘粕のような監督がいたら何言ってやがんだこいつって思うだろうね。 あまりにも説得力があったからおおってなったと思う。