このレビューはネタバレを含みます
概ね好きだったけど、少し長く感じでしまった、、全体的には、2つのストーリーが綺麗に繋がっていて、ハッピーエンドなので、観た後の気持ちは良かったね。
本作のコンセプトになっている、「信頼できない語り手」というのは、演出的にも最近ジョーカーで感じさせられたところでもあるし、映画ではよくある手法だよね。オスカー・アイザックは最愛の彼女を事故で亡くしてしまったショックで、セラピストとの会話の中で錯乱状態にある。銃で自殺したところはテンポ的にビックリしたなあ。
そこからオスカー・アイザックの娘へフォーカスしていって、青春時代だったり人となりを簡潔に見せながら、起点となった場所で物思いにふけっているタイミングで、舞台をスペインに移す。この辺りはストーリーテリング上手いし、引き込まれたな。
スペイン編も絶妙、、!こちらはこちらで、憧れのニューヨークへの旅行中に、同様の事故に間接的に関与してしまったことにより、精神的なダメージを負った息子の扱いに、両親が疲弊していく。その両親を金銭的にサポートするアントニオ・バンデラスのバックボーンとか、上手いなあ。次第に実の父は色んな思いから、家を出ていってしまう。この意思決定も、昇進前の会話でしっかりフリを作ってるから、違和感ないんだよなあ。
時間軸が進んで、スペイン編の息子がニューヨークで作ったいかにもなアメリカ人の彼女がエイプリルフールに、命を軽んじる嘘をついてしまい、別れ話へ。この辺のシーケンスもうますぎる、、あくまで全ての展開にフリが効いているという憎さ。
そして、スペイン編のお母さんが死んでしまったその日、両編の娘と息子が、全てのきっかけとなった場所で出会う。出来過ぎといえばそれまでだが、会うべくして会ったというフリがここでもまた、これでもかというほど効いている。感動するしかないシーン。見事。
ボブ・ディランが結構出てくるのに、曲自体はそこまで使われていないのは、曲調的に合わないみたいな判断かな?もう少し曲流してもいい気がしてしまった、、
パルプフィクションオマージュもよかったね。
とにかく作り込みがすごい、しかしながら作り込みの深さ故に、長く感じてしまったのかも、、でもすごい。