あまり必然性を感じないカットが多い。カラックスは個人的な映画ばかり撮るが、今回は微妙。冒頭でのナレーションと御本人登場から自意識が悪い方向に出ていると思う。変な演出で変な映画だけど、ストーリーはシンプル。ただ、「クズ男の壮大な勘違い&悲哀」と「子供の搾取&反撃」は上手く消化出来ていない（まぁ、本人は消化しようと思っていないのだろう。提示するだけ）。別にそのような演出でもいいけど、それにしては「映像」の力が弱い。スパークスの楽曲も「劇伴」になると意外と地味だ。あと、ネタなのかマジなのかわからんシーン（エッチとか出産とか）が多く、反応に困る。コメディもしても煮えきらない（要するに滑っている）。逆に5時間位にしたほうが、「表現」に振り切れて良かったかもしれない。メタとしてもドラマとしても中途半端だった。
