Sachika

メキシコから来たマリアのSachikaのレビュー・感想・評価

メキシコから来たマリア(2012年製作の映画)
3.1
メキシコからスペインへ。
いい働き口を見つけたマリアは家族を置いて、ひとり渡航を決める。
しかし予約されていたはずのホテル、働くはずだった職場、ましてや帰り用の飛行機も全部偽物。
キャンセルされていた事がわかる。
騙され、運のないマリア。
「明日はきっとうまくいく」

彼女が身を寄せたのは同じように祖国に帰れず、仕事もない移民たちが住まう宿。
楽しく暖かい人々と共に過ごしながら仕事を探すが、見つからない現状。
ある日、仲間の1人である調律師のオズワルドが、自身の楽譜を奪われた事を知った人々は、彼を指揮者としてオーケストラに立たせるべく、計画を立てる。
オーケストラと共に映し出される、物語の真実とは。

これをどう薦めるかって言われても困る様な、難解で、退屈で、多くの人が挫折する様な映画。
シュルレアリスムとは何ぞ?と言われたらやっとオススメできるかも。
でも最後まで観ると納得できたし、意味がわかるともう一周したくなる。
(いやでもしたくない)

現実の社会に超現実な物が同化する世界観故に、視聴者はそちらにばかり目がいってしまうと思うけど、
現実の社会=スペインの移民や貧困の問題、加えて暴力や死など、様々な問題が取り上げられている作品。
オーケストラのシーンからやっと物語が熱くなる気もするけど、終わり方はよかったなあと思う。
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