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夜の浜辺でひとりのcのレビュー・感想・評価

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)
3.7
初ホン・サンス作品

『お嬢さん』で知っているキム・ミニの自然で演技なのか、本音のような演技?が良かった。
監督と不倫関係にあることをあまりちゃんと知らなかったので、鑑賞中に調べてしまった。
冒頭はあらすじだけを読んでどうなるかわからないが、キム・ミニの演じる魅力的な“あの女”がうまく描かれており、彼女の人知れず苦労している部分や甘えているところ、他の誰にも見せれない孤独や寂しさを感じ取ってしまい全然サラッと見れない映画で見てて辛い。正直解釈や描き方が凄すぎてびっくりしてしまった、撮影方法や描き方でこんなにも感情移入というか、彼女の底知れぬ辛さをわかってしまう。

【2】ではあまり親しくなさそうで親しいのかわからない友人や先輩も登場するが、一人一人が本当に不器用で気持ち悪い感じの生きづらそうな人たちで会話シーンが濃密。酔いながら説教するシーン韓国映画すぎて最高。

全体的にホームビデオのような撮影方法でアングルも不思議、アップするところも不思議で夢かなと思った。
田山花袋『蒲団』のような自分の心情や現実の二人の不倫関係を理解しつつ、この映画を撮ったんだろうなとは思ったが、不倫や二人の関係性に対して第三者の私が思うことは何も無く、ただ絶望と苦労の空気が漂う映画だった。
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