矢野竜子

夜の浜辺でひとりの矢野竜子のレビュー・感想・評価

夜の浜辺でひとり(2016年製作の映画)
3.7
逃走と疎外の映画のように感じた。
第一章は海外ということもあり主人公たちは
最初から部外者となっている。疎外されている。
そして公園で男から声をかけられ逃走する。
また友人の知り合いの食事中にも気まずさから
逃走する。そして海辺のシーンでも
最終的に主人公は友人から逃走する。
第二章は韓国に戻ってきているが
酒の場などで語り合うシーンが多い。
ここでもカフェ?で知人のいざこざが始まり
たまらず外に逃走する主人公。
酒の場ではおじさんただひとりだけが
キスが出来ず疎外され(ここが笑える)
主人公たちはおじさんから逃走する。
逃走先で煙草を吸っていると
知人が金を返すとやってくるが
そこでも最終的に逃走する。
ホテルのシーンの窓拭き男は「疎外」の顕現かと
思ったが正直よくわからない。誰もこの男に気付かない。
そして下のコンビニに買い物に行くと言って
主人公たちは逃走する。
徹底して人は今いるところからどこかに出て行く。
人がその場から出て行くということは
そこに残される者たちもいるということ。
ラストはどこかに1人で向かう主人公を捉えて終わる。