タイトルがホイットマン『草の葉』の「藻塩草」という章のひとつから取られているだけあって、かなり詩的。
居酒屋の壁に貼られている?詩を見て「パク・ジョンハって、あのパク・ジョンハ?」と聞き、もうひとりの男が「違うさ」と言う。そして「だよな」突然読みあげられる謎の詩人パク・ジョンハの詩。
脱がなければ
息苦しい愛も
脱ぎ捨てなければ
募り募った恋しさも
きれいに洗い流さなければ
会えなくて地団駄を踏む
会ったからこそ
深まる悲しみも
未練なく忘れなければ
思い切って脱ぎ捨てなければ
「パク・ジョンハってあのパク・ジョンファ?」ということかもしれない。パク・ジョンファなら、いる。ふたりの男は、あれはパク・ジョンファではないよく分からない詩人なのだという会話をしているのだろうか。そして詩を朗読する。確かめるみたいに。パク・ジョンハはホン・サンスが生み出した詩人なのか?よく分からないが気になってきた。こんなにキム・ミニ演じるヨンヒの現状にぴったりの詩もないだろうし、どこかホン・サンスとキム・ミニの関係性を言い表しているようにも読めるから、そうなのかもしれない。