映画監督という職業ならではの開き直り方として、正しいかどうかは別として、この転んでもただでは起きないマインドは素晴らしい。
自身のスキャンダルを投影させた物語として、映画監督との不倫スキャンダルが発覚し、キャリアを投げ打ってドイツ・ハンブルクへやって来た女優を繊細に捉える。
そして、韓国に帰国し昔からの友人たちとの再会をきっかけに女優復帰を模索するという行って帰ってくる話の構造もよい。
ホン・サンスが得意とする海辺のアートな映像も印象に残る。
本作により、キム・ミニが韓国人初のベルリン映画祭銀熊賞(女優賞)を受賞するという離業。このエネルギッシュさ、やはり只者ではない。