にゃんにゃん

ズームアップ ビニール本の女のにゃんにゃんのレビュー・感想・評価

3.6
ずっと観たかったんだけど、観る時は気合い入れなきゃと思ってなかなか観られなかった、菅野隆監督デビュー作。ビニ本作家北見敏之が終始プロのカメラマン仕事に没頭してるので、ビニ本撮影シーンはことごとく色気皆無である。放尿シーンばっかりで毎回シャワーみたいに大量に出て、およそ人間の膀胱の容量じゃおさまらなさすぎて笑う。あんだけ出ればそりゃ虹もかかるよ。青空の下の十字架緊縛、素人感ある佐々木美子だと神々しすぎるのに麻吹淳子を緊縛した瞬間なんか手慣れすぎてて品がなくなるのはなぜ。不能で色気を消している北見敏之は最高にセクシーである。早野久美子のトップスの柄にずーっとモザイクかかってるのが超気になるけどたぶんミッキー。湿潤と乾燥のあいだを行き来する永久機関映画。悪くはないけど、ちょっと菅野隆の肩に力入りすぎてる。真剣にポルノ映画に賭けている自分たちの職人意識を北見敏之に投影しすぎていて若干胸焼け。天使のはらわたに寄せていったのになんか違うんだよな。ひたすら100万が降ってくるのとか「色情妻肉の誘惑」風ではあったけど、全体的にあまり桂千穂ぽさを感じなかった。でも終盤とっちらかるあたりはやっぱり桂千穂か。
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