真魚八重子

縄姉妹 奇妙な果実の真魚八重子のレビュー・感想・評価

縄姉妹 奇妙な果実(1984年製作の映画)
4.2
名美の登場しない村木の物語。石井隆の村木と名美の話って、映画ごとにかなり設定が異なるけど、石井隆マルチバースと思えばいいんだとわかった。

倦怠感にまみれたサラリーマンの村木。会社をサボるようになり、フラついているとある姉妹が住む家に入ることになる。なぜか目を離すと襲われて、奇妙な果実のように木に吊るされる姉。それを助けるうちに村木は囚われの身となっていき、そこから出ることが許されなくなっていく。
家にはじつはもう一人、男がいるのがわかる。姉妹の挙動不審な行動を手伝っているようだが、彼も村木と同じように引き込まれた先人らしい。そして、その前にもやはりそういった男がいたことも。

最後の転んだ際の「アッ!」がユーモアとは全然思えなくて、夢が醒めた残酷さのようだ。

髙橋洋の『インフェルノ 蹂躙』と対になるような、不気味な映画。
真魚八重子

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