ピロシキ

ハリー・ポッターと死の秘宝 PART2のピロシキのレビュー・感想・評価

3.6
最終作の、しかも終盤で、一作目からずっと張られ続けてもはやとっくにビヨンビヨンにたわんでいた、スネイプに関する「伏線」がようやく成仏する。ハリーもハリーで、まだ背も伸びきらないうちからあんなに「スネイプ許さない!」などと叫んでいたわりに最後の心変わりはあっけなく唐突なものだった。映画版におけるこの感傷の少なさは、実にもったいない。

そういえば当時劇場で観た時も「終わった…」という充足感こそあれど、ポンポン進んでやけにアッサリ終了し19年後に飛んでしまうこのスピード感に、なんだか物足りなさを感じていたな。(比べても仕方ないけど、同時期に大ヒットした「ロード・オブ・ザ・リング」の完結編はガチで泣かしにかかってたのもあって余計に)

2部作4時間半に引き伸ばしても、結局パンパンに詰め込まざるを得なかったこの情報量の多さ。1〜3作目までが映画として観ても圧倒的により面白いと感じられるのは、まだ原作の本が上下巻に分かれていなかったということも大きな要因の一つだろう。4作目以降には、単純に2倍以上になった文章量をどう捌くのかという課題に対する格闘が見える。シリーズを追うごとに増えては命を散らしまくる大量の登場人物たちも、まったく製作者泣かせである。

あと、生死を賭けた闘いで吹っ飛んじゃってたけど、ハリーたち7年生の単位ひとつも取れてない。残念でならない。最終学年までもつれ込んで命かけてこんなに頑張ったのに、卒業できないなんてあんまりだよな。

勢いで一気見完了。まぁいろいろ勢いで書いてみたけど結論、やっぱ青春ね。としまえんの跡地、行くなら今がベストかな。
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