大道幸之丞

きみがくれた未来の大道幸之丞のネタバレレビュー・内容・結末

きみがくれた未来(2010年製作の映画)
3.6

このレビューはネタバレを含みます

以前観た『オッドトーマス』と似た構造がある。

それは主人公が霊を見る事が出来るというもので、キリスト教では本来「霊」の存在を認めていないので「シックスセンス」や「ヒアアフター」のように定義をむしろ映画では自由に設定出来ているように感じる。「新しいカテゴリ」と捉えられている様子がある。

本作では仲の良い兄弟の弟サム(チャーリー・ターハン)が不慮の事故で亡くなってしまう。兄チャーリー(ザック・エフロン)はヨットレースの名手で奨学金まで受けた高校ではヒーロー的存在。野球をしたがる弟には大学に行っても毎日野球の練習をしよう、と約束をしていたにも関わらず。

この事故があまりにもショックであったためにチャーリーはヨットの途を棄て墓守を生業とする。そこでサムの霊と約束通りキャッチボールをする。

そんなある日高校時代のクラスメートテスが父親の墓が荒れているから花を植えてほしいと苦情をいう。実は彼女はヨットレースをやっており、世界一周にチャレンジするところだったのだ——

結局チャーリーが「霊が見える」と弟の件で前フリしておいて、テスが霊として現れてチャーリーに救助を懇願目的でコンタクトしている事がチャーリーだけにはわかるという流れにしている。

ぶっちゃけハイスクールキャラがよくお似合いのザック・エフロンの魅力で引っ張ろうとする映画ではあるし、「キム・ベイシンガーが母親ならエフロンみたいな子も出来るか」と納得もさせられる。

ただしキャッチボールを続けるチャーリーは「これ、いつまでやるんだろ?」と心配してみてしまうし、事故でチャーリーの一命をとりとめた救命士フロリオ(レイ・リオッタ)はそんなチャーリーを案じたままガンで亡くなってしまう。彼から譲り受けた守り神のペンダントもいいエピソードだ。

「何を言いたい映画なのか」と問えば「人間は決して諦めない」とのフロリオが残した「奇跡の言葉」なのだろう。実際テスの生存をチャーリーは決して諦めなかった。