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蜂の巣の子供たちのUCOCOのレビュー・感想・評価

蜂の巣の子供たち(1948年製作の映画)
3.6
古い映画はわりと見慣れているはずの私ですが、本作の子供たちの声はかなり聞き取りづらかったです。男性の声は聞こえるのですか、、女性も含めて声が高めだと、やはり古さゆえに聞き取りが難しくなります。

ストーリー自体はとても単純で、復員兵に戦争孤児たちがふっついて全国各地を転々とする。そして移動しては労動、移動しては労働の繰り返し。
私は何故か清水宏作品の中に、小津調のようなものを見出してしまって、小津調になりきれない小津感がずっと滞在してるような感覚でした。

しかし、それにしてもこの作品に登場する子供たちの勇ましさには心打たれる。
浮浪児の彼らが、野球少年たちに混ざって野球の試合をしようと持ちかけるシーン、
野球少年たちはすぐに退散してしまう。しかし、そんな様子を見ていた復員兵が彼らに言った言葉は「きっとお前たちが気持ち悪かったんだ。お前たちも気持ち悪くない子供にならないといけないよ。」すごいパワーワードだと思った。
決して飾らない、「ありのままの戦後すぐの世界を表現している」という点はとても巧みに感じた。

中だるみしてしまう点がとても残念だが、子どもが病気の子供をおぶって山の急斜面を一生懸命登るシーンはとにかく見どころ。カメラワークも子供たちの演技も必見。

決してつまらなくはありませんが今一歩という印象。。。
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