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ロード・オブ・ザ・リング/二つの塔〈スペシャル・エクステンデッド・エディション〉のモカのネタバレレビュー・内容・結末

5.0

このレビューはネタバレを含みます

スペシャル・エクステンデッド・エディション版追加シーンの個人的なメモ。

『二つの塔』の追加シーンはおよそ45分。
Filmarksでは上映時間が214分と表示されているが、実際には多少のずれが見られる。

今回は場面のまとまりがなく、複数の人物パートが入れ代わり立ち代わり表される構成のため、登場人物ごとに分けての記入(あまりにも量が多いので細かいものは省略)。





⚠️以下、ネタバレ⚠️





『二つの塔』


【フロド、サム、ゴラム】

◾エルフのロープ
◾愛しいしとに懸けて
エミン・ムイル(冒頭の荒れ地)。前作『旅の仲間』の直後、この地を訪れたフロドとサムの道程がより細かく描写されている。
ゴラムと接触する場面でも、早速ゴラムとスメアゴルの二重人格性が表れるなど、いくつかのシーンが追加。



【サルマン】

◾ウルク=ハイ
炉を燃やすための薪が必要なモルドール軍。「目の前にファンゴルンの森があろうが」と、薪を得るためエント達の森を伐採するよう、サルマンがオルサンクの塔にて指示を出している。



【エオメル】

◾襲撃される西の谷
◾アイゼン川の虐殺
◾エオメルの苦悩
アイゼンの浅瀬の合戦にてモルドール軍によって壊滅したローハン軍。その中でセオデン王の息子であるセオドレド王子をエオメルの一団が発見する。



【フロド、サム、ゴラム】

◾死者の沼地
死者の沼地を通過中、ゴラムがレンバスを口にし、とっさに吐き出す。『王の帰還』において「ゴラムはレンバスを食べられない」という表現があったが、その布石に当たる。
レンバスは非常に高価で、エルフの国でも厳重に保管されている。味も美味らしいが、オークなどはレンバスを食べない。スメアゴルも指輪の力で500年以上生かされているうち、味覚のそれが元とは大きく異なってしまったか、身体がレンバスを受け付けないようである。



【アラゴルン、レゴラス、ギムリ、ガンダルフ】

◾白の乗り手
ファンゴルンの森。白のガンダルフと合流後に複数のシーンが追加。
ギムリが傲岸不遜にもファンゴルンの森を罵倒するが、森の怒りに恐れをなしたか、とっさに機嫌を取ろうと世辞を言っている。



【メリー、ピピン】

◾エント女の歌
同じくファンゴルンの森。メリーとピピンを運ぶエントが何やら歌を口ずさむが、あまりに抑揚が無くホビットの2人は眠り込んでしまう。



【ガンダルフ、アラゴルン】

◾ヌメノールの世継ぎ
ファンゴルンの森を出てローハンへ向かう途中、フロドを一人で行かせたと悔やむガンダルフに「フロドは1人ではありません。サムが一緒です」と、アラゴルンが事の経緯を伝える。
崖から落ちたガンダルフがその後の経緯をどのように認識していたかは不明瞭。この場になって初めて経過を知ったようにも聞こえるが、ファンゴルンの森でメリーとピピンに会っているため、そこからフロドとサムの情報も得ていたはず。
『旅の仲間』終盤でメリーとピピンは自分達を囮にしてフロドを逃がしていた。彼らはフロドがそのまま一人で行ったと思っていたはずなので、そこから誤ってガンダルフに伝わったものか?



【メリー、ピピン】

◾エントの水
ファンゴルンの森でエントの水を飲んだメリーとピピンの背が伸びる(?)。
本当に身長が伸びているのか、それとも気のせいなのかは不明。



【セオデン、エオウィン】

◾セオドレドの葬送
ローハン国の首都エドラス。
救出虚しくも命を失ったセオドレド。彼の葬式の場面がやや長めに描かれている。エオウィンが弔いの歌を送る。



【アラゴルン、エオウィン】

◾ブレゴ
同じくエドラス。ヘルム峡谷へ移動する準備中、気が触れた馬のブレゴにエルフ語で話しかけるアラゴルン。アラゴルンとブレゴの絆の発端となる。



【サルマン】

◾バラヒアの指輪
オルサンクの塔。サルマンがアラゴルンの指輪によって彼の素性(イシルドゥアの末裔)に気付く。報告をしたのはエドラスより逃げ帰った蛇の舌グリマ。



【フロド、サム、ゴラム、ファラミア】

◾香り草入りウサギ肉シチュー
イシリアでのファラミアとの初対面時に複数のシーンが追加。



─DVD版ではここからディスク2─



【アラゴルン、エオウィン、ギムリ】

◾ドゥネダインのひとり
ヘルム峡谷へ向かう途中、湖のほとりでキャンプを張るセオデン一行。
その時アラゴルンが口にしたエオウィンのシチューが不味かったらしく、こっそり捨てようとしている(ギムリは匂いを嗅いだだけで拒否)。
また、この時アラゴルンが自身の年齢を述べる。長命な種族ドゥネダインのため、この時点でアラゴルン87歳。エオウィンからすると祖父の代に当たる。
ちなみに、アラゴルンの恋人であるアルウェンは2700歳以上。歳の差カップルここに極まれり。


【フロド、サム、ファラミア、ボロミア、デネソール】

◾ボロミアの訃報
イシリアの洞窟。ファラミアがボロミアの角笛を手に、亡き兄との思い出を回想する。そこから『旅の仲間』でボロミアが裂け谷に訪れた経緯が明らかとなる。



【アラゴルン、エオウィン】

◾洞窟への避難
ヘルム峡谷、角笛城での決戦直前。
女と子供は洞窟へ避難せよとのセオデンの命令に反発するエオウィン。この時アラゴルンに「あなたが好きだから一緒に戦わせて!」と、その想いを初めて打ち明けている。



【全体】

◾オークを呑み込む森
角笛城での決戦後、ファンゴルンの森へ逃げ込むモルドール軍の残党たち。
そこには怒れるエントたちが待っており、遠巻きにしか映されないが、一網打尽にされる。



【レゴラス、ギムリ】

◾しとめた数は?
恒例のレゴラスとギムリの競い合い。
敵を討ち取った数で言い争っている。
「42か、俺は43だ」とギムリ。それに対しレゴラスが珍しく大人げない言動を見せる。



【メリー、ピピン】

◾漂流物
アイゼンガルド、決戦後。サルマンの貯蔵庫を発見してご馳走にありつくメリーとピピン。
『王の帰還』での登場時、2人が食べていた塩漬け豚などはここの食料。



【フロド、サム、ゴラム、ファラミア】

◾ファラミアとの別れ
オスギリアス。『二つの塔』終盤。
ファラミアがゴラムに対して「彼らに何かあれば許さん」と警告し、フロドとサムを心配している姿が見られる。
ファラミアは西方の血(ドゥネダインの血筋)が強く出ているせいで、常人よりも人の心を鋭敏に読み取る力を持つ。自ら死罪を受け入れてフロドとサムを気遣うなど、ここではファラミアの繊細さと気丈さが色濃く表されている。





『二つの塔』は、『旅の仲間』よりもさらに多くの場面が追加されている上に展開も目まぐるしく、未公開映像に気付きにくい箇所が多々ある。
劇場公開版も約180分あるが、それでも主要なシーンを凝縮した作りになっていた事を再確認できる。



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