ボクシングのコーチと借金の取り立て業で生きる元ボクサーの中年男性ヘルベルトが、騙し騙し先延ばしにしていた体の異変から倒れて入院した処、ALS(筋萎縮性側索硬化症)と診断され残りの人生と向き合っていく話。
仕事もクビになり、6歳から疎遠になっている娘には拒絶され、どんどん衰えていく筋力。
生来の気質からか素直に甘える事も出来ず、元から結構冷たくあしらっていた彼女にも勿論、いつか一緒に旅に出る事を夢見た友人には姿さえ見せられない。
それでもヘルベルトは何度も立ち上がり、自分に出来る事を探し、日々出来なくなる事は増えるし失敗を繰り返すけれど人生の終わりを見据える。
最後は美しくも悲しい終わり方だけれど、ヘルベルトは彼なりに終わりだと覚悟を持って終えられたんじゃないかなぁと思う。
ヘビー級の心ってタイトルも良い。
それにしても、彼女のマレーネに対する態度はちょっとどうかと思っていた。
ALSと診断されてからであるなら、夫でもない男に介護で煩わせる訳には、とそういう事かな？と考える事は出来ても、診断前から凄い適当に扱ってるんだよね…。マレーネ自身はすごく優しい女だし、飼ってる犬も可愛いのだけれども。
ヘルベルト自身がまぁまぁ気性の荒い、所謂"古い男"だったって事もあるのかも知れないけども。
