ケンジモンデン

嘘を愛する女のケンジモンデンのレビュー・感想・評価

嘘を愛する女(2018年製作の映画)
3.5
原作未読。帰り道、じんわりとこの映画の温度が伝わってくる。そう悪くない心地。

彼のくも膜下出血をきっかけに、5年も同棲していた彼の身元が何もかも嘘だったことを突きつけられた彼女は、数少ない手がかりを手に彼の素性を辿っていく。
ラブストーリーというよりも、人に謝ることすらまともに出来なかった高飛車女が彼を通して愛を知っていくヒューマンミステリーという印象。もしくは高橋一生を目で声で楽しむ映画ですね。

タイトルの妙がこの映画の最大のキーなわけですが、後半、彼の嘘が1枚ずつ剥がれていくにつれ「あぁ、彼女はだから嘘を愛する女に『なる』のだな」と気づく。現在形のタイトルが沁みてきます。
しかしながら中盤のスローな展開、依然残る謎など悶々とはしつつ。多分この物語自体もまた続いていくからなのだろうと都合のいい解釈。

主演・長澤まさみのしたたかさや弱さがにじみ出る演技は見ごたえありです。

そして主題歌は松たか子「つなぐもの」。この曲がいい!今クールドラマ「anone」の坂元裕二作詞!歌詞も曲もいい。暗転からのアカペラでぐっと呑まれた。
この曲だけでおかわりいけます。ぜひ最後まで聴いて帰りましょう。

【追記】主題歌「つなぐもの」をカバーしました!
よければ聞いてみてください^^
https://youtu.be/9aYe505Y8kw