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女々演のminorufukuのネタバレレビュー・内容・結末

女々演(2017年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

演劇部の3年生最後の公演である文化祭の3日前に、主役の部員が突然退部してしまう。残された部員たちは公演続行を決断するが、誰がヒロインの代役を務めるかで部内は泥沼化してしまい…という話。

高校生女子の、うわべだけの仲良しグループの人間関係が崩壊する様を描いている作品。
女子部員は5人いるのだが、全員のグループLINEが設けられていて、コミュニケーションはそれだけで足りるはずなのに、辞めた主役部員を除いた4人グループLINEがあって、更に部長を除いた3人グループLINEがあって、更に2人は個別にやりとりしてるという。話す内容はいないメンバーの陰口ばかりなので怖い。
演劇のヒロインを決めるくだりもそれぞれ自分が主役を張りたい願望があるにも関わらず、自分から言いだすのはイヤで、周りから推薦される形式で決めようとするものだからもめにもめる。男女関わらずこうした本音と建て前を使い分ける付き合いはあると思うが、ここまで極端に醜く描いているのは逆に感心させられた(^^)
後半はそれぞれの本音を全てぶちまけた結果、部はギスギスした雰囲気に陥るのだが、ドン底の状況から新たなものを作り上げるという再生ストーリーになっている。しかし、その和解の過程がイマイチ説得力に欠けるのですんなり感動はできなかった。彼女らの思いを形にしたはずの演劇シーンもダイジェストでしか見せないし。まあ、その演劇の完成度がよほど高くない限りはそれで正解なのかも。後味は比較的良いお話。
小規模資本映画だと思うが、チョイ役で橋爪功が出演しているのが意外。
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