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わたしが発芽する日のtetsuのレビュー・感想・評価

わたしが発芽する日(2016年製作の映画)
3.7
日本のインディーズ短編映画を毎週配信している「あしたのSHOW」にて鑑賞。

自閉症の妹・優子と暮らす姉・紗那。
恋人との結婚生活を本気で考え始めた彼女は、ある決断を迫られて……。

スタンダードサイズ(かつ、フィルムの角が丸まったような形)の映像で切り取られた姉妹の愛しい日々。
二人三脚で歩んできた彼女たちが、クライマックスで選ぶ決断が、中々複雑で切なかった。

だらだらと続く、幸福でありふれた日常。
大人になることは、そんな日々から抜け出し、覚悟を決めて独立することだと伝える物語は、大学4年の自分自身にとって、他人事のようには思えず、かなり胸に刺さった。

また、大人になる中で生まれる家族関係の変化など、短編ながらも人間ドラマとしての深みがあるのも良かった。

同監督の過去作は『次は何に生まれましょうか』しか、まだ観てはいないが、本作でも「上手く生きられないゆえの孤独」と「他者との結びつき」というテーマが共通していて、とても興味深かった。
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