灰田

若き人妻の秘密の灰田のレビュー・感想・評価

若き人妻の秘密(2011年製作の映画)
3.1
私がフランス映画を好きになった理由、音としてのフランス語の響きが好き、という理由もあるのだけど、映画全体を通してBGMがほとんどなく過度な演出がないことで登場人物の心情やその時代の雰囲気をより鮮明に描いているところなんだよな。
え、まさか、タイトルってそういう事だったの。となるけど、この映画の1番の見どころって登場人物たちの表情だと私は思った。車の中で、エーブが無表情のまま涙を流したシーン。映画を最後まで観るとあれは演技だった、という解釈になるのが真っ当なんだろうけど、実はあれは本当の涙だったら。夫と共謀して金を手に入れたけれど、もう会いたくないと言ったことから、エーブは夫とうまくいってなかった事が辛かったのかも。(そういえば夫浮気してたな?)
ラストシーンのカメラ目線も、私たち観客に向けたしてやったり顔、とも取れたし、これから、何を目的に生きていけばいいの、と不安を感じているようにも思えた。
レアセドゥだからこそ、表情でここまで表現できたのだろうと思う。彼女の演技が好き。
灰田

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