あきしげ

消されたスキャンダルのあきしげのレビュー・感想・評価

消されたスキャンダル(2016年製作の映画)
2.0
本作はなんちゃって群像劇でした。

良かった点。

・イドリス・エルバの国民的英雄
・不良少年とベテラン俳優の友情

悪かった点。

・群像劇にする意味なし
・淡々とした退屈な物語
・浮気男に対する不倫女
・テーマがバラバラすぎ

イドリス・エルバが主人公だと思った。
だからこそ期待したが違っていました。
本作は群像劇という多方面の内容です。

三つのエピソードで構成される。

・ラグビーの元代表の国民的英雄の家庭
・ヤクの売人である不良少年の更生物語
・タクシーの運転手が事故から立ち直る

このエピソードたちが本作の柱。

群像劇というのは別々の物語が絡み合う。
最初は他人同士だったが実は関係がある。
あの時にあの人とあの人はこうしていた。
その裏側ではあの人はこういう事をした。
点と点が最終的に一つの線となっていく。
これが群像劇というスタイルと思います。

しかし、本作は群像劇ではありません。
登場人物たちはすれ違う程度の関係性。
タクシーの運転手なんていらないほど。

最初のイメージではイドリス・エルバが暴走。
その過程で他の登場人物たちと関係があった。
次第に彼らがキーパーソンとなって解決する。

そう思っていたのに全然違っていた。
別々の物語をムリヤリ繋げた感じだ。

浮気した夫に対して、妻は大学時代の恋人と不倫。
子供がいるのに妻まで不倫したら誰が同情するか。
立ち直ろうとする夫の方が被害者に見えてしまう。
逆に妻は不倫相手の心を弄んでいる悪女に見える。

不良少年とベテラン俳優の友情は良かった。
これを一つの物語にしてもいいほどの物語。
ただ、最後は強引すぎる結末と感じました。

最後のタクシーの運転手は前半と後半で別物。
前半では子供ができない夫婦として登場する。
後半では夫が起こした事故で悩む夫婦となる。
子供の話しはそんなに必要だったのかと疑問。

それぞれの言いたい事は分かるけど統一していない。
群像劇だからって個々のテーマを持つのは違うはず。
共通したテーマがあるから群像劇が成立すると思う。

もっと単純なメッセージに置き換えるべき。
そうじゃないと意味が分からなくなります。

本作はみんなの演技が良かっただけに製作陣がダメでした。
あきしげ

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