近本光司

無限の青空の近本光司のレビュー・感想・評価

無限の青空(1935年製作の映画)
3.5
初期のハリウッド映画とは、第一に人間の仕事を世の中に見せることだったのだと、ゴダールのかつての盟友ジャン=ピエール・ゴランは語っていた。この映画で描かれる使命感を帯びた飛行士たちの紐帯はなにより見ていて気持ちがよいものだ。ハリウッドの風通しのよさは描かれる人間関係の朗らかさにある。仕事はつねに組織集団のなかで行われる。集団に属すること、組織のために身を尽くすことがアメリカ合衆国の根幹にある価値観なのだと、この映画を観ていると思わさせられる。グリフィスの『The Musketeers of Pig Alley』(1912)との二本立て。ハリウッドスタジオの二十年。