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無限の青空の白のレビュー・感想・評価

無限の青空(1935年製作の映画)
4.5
WWⅠ世代の多くが備えた天性のストイシズムが如何なる他作にも比べて明瞭に、且つ雄弁さと徹底の度を増して表明される。
空を飛ぶことの美徳とスリル。罪の意識を動機とした飛行。乱暴なほど競争的であり表現豊かな男同士の友情。
各人の人生における境遇がすっかり様変わりし、特に怪我による不具者(マイク)が歩くよすがとして哀れみを誘う。
ギャグニー扮するディジーの演技が良い。色好みのにやけた男であり、何でも歯向かう気骨を備え、不敵で訳知りな様相。無線を通じた不遜な早口。
それにしても登場人物の行動のインパクトが凄い。アクションを通して各々の人生観が表明される。それが次第に純化され、メソメソとした感傷癖に屈することを拒絶する姿勢を確固にする。登場人物はみな、導火線に火がつけられたら途端に極限地まで反応する用意がある。
内に秘めた「好きにやらせて欲しい」の感慨に涙。そして(主要な設定に端を発する)アクションの凝縮力に拍手。
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